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2008/10/30

◆果たして、この10月に世界の富は何千兆円失い、ここ数日でそのうちどのくらいを取り戻せたのだろうか?28日前場にわずかだが7000円を割り込んだ日経平均株価だが、わずか2日半で2000円超駆け上がり9000円台を回復した。大引けにかけじり高基調が続きほぼ高値引けで、値上がり率9.96%は過去4位の水準。出来高は30.3億株と4日連続で30億株前後の大商いを伴っての急騰となった。■29日にアメリカが政策金利であるFF金利を0.5%引き下げ過去最低水準である1%に引き下げ、日本、欧州が足並みをそろえるとしたことから、一時1ドル=90円水準まで高騰していた円が99円台まで続落し、輸出株の反騰を呼び込んだ。33のTOPIX業種別株価指数は揃って上昇し、そのうち10業種が2ケタの高上昇率となった。

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◆アジア株も14市場が一斉高となった。後押ししたのは米利下げを受け、24時間取引のシカゴ先物取引GLOBEXでナスダック100種株価指数先物が一段高したこと。30日の米国株高を予想した仕掛け的な買いが入ったうえ、公的資金が流入した。何よりも、9月以降、世界の株式市場が恐慌的な下げとなったその反動で買いが膨らんだのだ。<日経平均は31日には9400円前後まで下げてくる25日移動平均線を上回り、定着できるかが目先のポイント>となる。大底からの脱出は、初動のエネルギー(出来高・売買代金)と上昇スピードが最大級であることが必要条件だが、今回はこの条件をクリアした。ストップ高158銘柄に対しストップ安は4銘柄。値上がり銘柄数1493対値下り176.もっとも、新安値12に対し新高値は6だったが・・。新高値銘柄に当欄注目株プリマハム(2281)が連日で入っていたことは幸いだ。クリスマスプレゼント銘柄に成長するにはここからひと波乱あって当然だが、引き続き業績回復基調にある「好チャート、好需給」の低位材料株として、押し目を拾いたい。

◆また、靴の卸と小売チェーンを展開するABCマート(2670)が高値を更新したことを注目したい。●「ユニクロ」のファーストリ(9983)がストップ高となり、10月9日以来の1万台を回復した。●コンビニのローソン(2651)は4900円台へと切り返しており、4000円割れをみて壊れかかった月足チャートは、1000円前後の長い下ヒゲを引き、5750円の8年ぶり高値挑戦への望みを復活させた。消費不振のなか元気組でチャートが生きている銘柄は引き続き注目しよう。

◆29日に中間連結経常利益の減益を発表し、通期経常利益予想を大幅減益修正したコマツ(6301)が、大引けでストップ高比例配分となり、なお、2434万株のストップ高カイ注文を残したのだから、エレクトロニクスなど輸出関連株で徹底的に叩かれた銘柄は31日もリバウンドがあってよい。30日のNYダウも190ドル強上昇した!

◆29日13時に9月中間決算を発表したネットワン(7518)のなべ底脱出をここから買っていこう!決算・通期予想は9日に増額修正した線となった。通期業績は前期比14%増収、34%営業増益、49%最終増益と急回復見通し。チャートは、1月の9万円割れを基点に日足、週足、月足が揃って上昇基調入り。権利落ち修正で2000年高値からの長期じり安相場が一変、上昇基調入りしたと見る。新当欄注目株だ!

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魁−SAKIGAKE−
株式市場の第一線で活躍するベテランアナリストの鋭い視点で、ひとつ先の相場を読む、プロフェッショナルレポートです。

筆者プロフィール
熱田和雄
1946年1月生まれ。

同年生まれの吉田拓郎ファンであり、写真家アラーキー(荒木経惟)大好き人間。1960年代後半の闘争の時代に明冶大学退学。証券会社に入社。市場部での場立を経て調査情報部で23年間あちらこちら走りまわり、各種証券関連リポートを書き続ける。自社リポートのほか新聞・雑誌記事を執筆。90年代後半の金融危機時に、28年半勤めた証券を退社。2000年代も、記事を書き続けている。

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